9歳の子どもが左耳の下を痛がった。
見ると腫れていて熱を持っている。
おたふく風邪の症状だと疑い受診してみた。
おたふくと普通の耳下腺炎の見分け方など、そこで指導された内容を紹介。
≪目次≫
1. 耳下腺炎の種類と原因
5. まとめ
1.耳下腺炎の種類と原因
耳の下あたりの耳下腺が腫れて痛みがある場合、考えられる種類(原因)は3つ。
●細菌性耳下腺炎(原因は細菌)
●ウィルス性耳下腺炎(原因はウィルス):この中の一つにおたふく)
●反復性耳下腺炎(感染、アレルギーなど原因いろいろ)
ウィルス性耳下腺炎の中の一つにおたふくかぜ(ムンプスウィルスによる流行性耳下腺炎)があるとのこと。
図にするとこのような感じのようだ。
2.細菌性かウィルス性かの見分け方
診察で細菌性かウィルス性かを診察で完全に見分けることはできないとのこと。
しかし検査をすれば何にかかってるか分かるとのこと。
医者が言っていた検査以外で見分ける一応の目安としては、
●細菌性であれば抗生物質を飲めばすぐによくなる(ウィルス性だと薬はなく7日くらいかかる)
●細菌性はだいたい熱がでる
(うちの場合、熱が出てないので細菌性ではないだろうから抗生物質は出さないと言われた)
「熱がない=ウイルス性 」
「熱がある=ウィルス性か細菌性 」
おおむねこのように判断するようなので、
ウイルス性であるおたふくかぜは、熱の有無では判断できない。
3.おたふくかぜとその他の耳下腺炎の見分け方
やはりこちらも診察して判断することはできないとのこと。
耳下腺が腫れていた場合はすべて
『急性耳下腺炎』という診断しかできないという。
片側だからと両側だからという見分け方もできない。
おたふくだった場合も、おたふくじゃなかった場合も、腫れるのが片側のこともあるし、両側のこともあるとのこと。
どうしてもおたふくか見分けたい場合の検査は検査が必要。
病院によって言われた検査が違い、分かっただけでも3通りあった。
1つ目
①腫れている時に採血をしておたふくの抗体が(-)であることを確認。
②治って2週間後くらいにまた採血して抗体(+)になっていることを確認 おたふくだった場合、治って2週間くらいすると抗体が陽性になってくるとのこと。 そのため、このように抗体ができる前後で採血をして、新たに抗体ができているのを確認できて初めて「今回かかったのはおたふくかぜだった」と言えるとのこと。
これは診断するためなので保険内で抗体検査ができる。 調べたところ、ペア血清計測法という物らしく、IgG抗体を二度検査するらしい。 |
二度も採血しなければいけないのか質問した。
≪質問≫
今回かかっているのがおたふくか分からなくてもいいので、治ってから抗体があるか検査して今後はおたふくにかからないか判断することはできますか?
≪答え≫
抗体の値がよほど高くでれば、もうかからないから次腫れた時は違うと判断できるが・・・。
今かかっている耳下腺炎がおたふくなのかはっきりさせるには抗体ができる前と後で採血した方がよいが、抗体ができたかどうか知りたいだけなら2週間後の検査だけで判断できるとのこと。
前後でちゃんと判断すれば、抗体反応が薄くても、今回のはおたふくだったと判断はできるという感じのようだ。
ただし、
「おたふくだったと分かっても抗体価が高くなければもうかからないとは言い切れないので、次もおたふくを疑うこととなる 」
というので、今回のがおたふくだったかどうかを知るためにわざわざ二回採血するのは意味のないことのようだ。
意味があるとしたら、二回すれば確定診断をすることになるので、保険適応になるということくらいだ。
2つ目
初日にかかった臨時の病院ではなく、かかりつけの内科に行って2週間後の検査だけをそちらでできるか問い合わせてみたところ、
「おたふくかどうか判断するには2週間後ではなく急性期の今検査する必要がある」 とのこと。 発症数時間から1週間くらいの間(急性期)に採血をして検査するとおたふくか分かるという。 この検査は保険内でできるという。 また、採血は1回のみとのこと。 |
最初に行った病院の先生と言うことが違う。
≪質問≫
一度かかったらかからないというから、今ここで検査しておたふくと分かればもう次腫れてもおたふくの疑いはなくて、学校などいけますか?
≪答え≫
「おたふくはかかっても抗体ができなければまたかかる。この検査では抗体はチェックできないから、また次に耳下腺炎になった時も耳下腺が腫れればおたふくを疑って休む必要がある」
この検査は今現在のことしか分からず、抗体ができたかは別問題とのこと。
だったら検査しても意味ないのでは・・・。
この検査の利点は、
『3日で結果がでるので、検査をしておたふくが陰性であれば1週間とか長く休まずにすむ』
ということらしい。
行事ごとなどでどうしても幼稚園や学校に行きたい時などは役に立ちそうだ。
3つ目
姪っ子がおたふくにかかった時の検査。
おたふくが治ってから2週間後くらいに抗体検査をすれば、おたふくだったか分かると言われ、2週間後に行って検査したところおたふくだったと言われたという。
検査結果の紙を見ると検査法はCFと書かれていた。 基準値4未満だが、結果は32だったようだ。
調べてみると、CF法はかかった後に一時的に上がるIgM抗体の数値を調べると書いてあるものと、IgGを調べると書いてある物があった。 |
これでかかっていたか分かるようだが、『補体結合反応法(CF法)は感度が低いため,この免疫の判定に使用することはできない』というような内容がいろいろな所に書いてあった。
あくまでおたふくだったかを見極めるだけで、その後免疫が付いたかの検査ではないということのようだ。
医者からは免疫についての説明はなかったという。
先生によってずいぶん言うことが違う。
検査はいろいろな種類があるようだ。
4.急性耳下腺炎とリンパ節炎の見分け方
耳下腺炎の腫れる位置とリンパ節炎の腫れる位置を聞いてみた。
●耳下腺炎 :耳たぶの下あたり(首まではいかない)が腫れる。
●顎下腺炎 :ウィルスや菌が顎下腺に入れば顎の下が腫れる。
●リンパ節炎:耳の下のさらに下の首のところがプクッと腫れるとのこと。
以前おたふくかと思って受診した時にリンパ節炎と言われたので今回詳しく位置を聞いてみたが、腫れる位置でどれなのかはっきり分かるとのこと。
5.まとめ
医者が診察しただけでは感染力のあるおたふくかぜなのか、感染力のない急性耳下腺炎なのかは分からない。
けれど、おたふくだったら移るので、耳下腺が腫れた場合は、どちらにしても腫れがひくまでは休まなければいけない。
次腫れた時に休まなくていいかどうかは、おたふくにかかったことがあるかではなく、おたふくにかかった後、抗体(免疫)がしっかりついたかである。
そのため、次に休まずに済ませたい場合は、抗体検査をする必要がある。
もちろん、おたふくでなくても他の症状があって具合が悪ければ違う意味で休んだ方がいい。
抗体検査にも種類があり、確定診断をつけるための検査は保険がきく。
でも、確定診断のための抗体検査の中でも、その後かかるかかからないかの免疫の有無が分からないものが多い。
おたふくの検査をする場合は、おたふくだったか分かるだけでなく、その後かからないかどうかが分かる抗体検査でもあるかどうかを確認した方がよさそうだ。